トランクルームのこんな変化
リフォーム後は「ホントはこんなに広い部屋だったのか!」と驚かれる方が多いのですが、これが実感なのでしょう。
ソファを入れたりパソコンコーナーとして使う場合は、押し入れの壁に大きな鏡を専用の両面テープで横向きにつけ、明りの映り込みを利用して部屋が広く見える効果を狙うこともあります。
実際はそうではないとわかっていても、目の錯覚で部屋が広く見えるのはいいものです。
また、私はよく、古い家の場合だと、押し入れをダンス置き場にすることもあります。
昔の暮らしでは、押し入れはふとんの収納場所として必要不可欠な場所でしたが、今は生活スタイルも変わったので、ふとんの上げ下げをする機会が少なくなったお宅なら、思い切ってダンス置き場として改造するのもいいと思います。
「押し入れは押し入れとして使わなければいけない」と思い込むのではなく、視点を変えることでスペースを最大限に利用することができます。
ポイントは押し入れも1つのスペースとして考えること。
家のなかで梁以外は全部、1つのスペースとして考えましょう。
もちろん、そのまま押し入れとして使うこともありますが、そのときは中途半端な高さについた中段をはずし、押し入れに隙間なくぴったり物が収納できるように棚板の位置を変えます。
皆さんは「押し入れの棚の高さを変えるのは難しい」と思われるようですが、同じ高さの収納ケースを両端に置いて、その上に板を渡すとそれが棚になります。
釘は一切使わなくても大丈夫です。
また、押し入れの上部に少し奥行きの浅い棚をつけると、下段に入れたものが取り出しやすくなります。
新しくつけた棚には軽いふとんや毛布などを乗せると便利です。
また、このスペースを部屋の1部として使うときには、上に奥行きの浅い棚をつけておくと、文庫本やCDが入るちょっとした本棚になります。
玩具やぬいぐるみなどを置いてもいいですね。
よく「勉強部屋がない」とお聞きしますが、このように見方をちょっと変えるだけで、押し入れがテレビやパソコン、ベッドやソファなどいろいろな物が入る空間になるのです。
リフォームは、考え方次第で何とでもできるのが面白いところです。
家の風通しが良くなれば、家族の風通しも良くなるシックハウス症候群の対策としてだけではなく、風通しを良くするというのは、毎日の暮らしのなかで快適に過ごすための基本中の基本です。
以前、手がけた戸建ての中古住宅では「開かずの間」があって、前の住人がそこで犬を飼っていたので、何とも言えない嫌な臭いが染みついていて、(部屋を開けたくても)開けられないということがありました。
それで床板を全部はがして交換し、上からペンキを塗って臭いを抑え、また壁が汚くボロボロになっていた部分には、腰板を張ってカバーしました。
リフォーム後、部屋の風通しが良くなると、嫌な臭いは全部消えてなくなりました。
実は、私も自宅の真ん中にあった押し入れを抜いて、風が通るようにしています。
5階なので暑く、通気を阻んでいた押し入れを取らないと風が通らなかったのです。
その結果、部屋の仕切りがなくなってしまいましたが、快適さに勝るものはありません。
私か手掛けるリフォームの最終目標は「元気になる家」、あるいは「家族が仲良くなる家」をつくることです。
過去に「家に病人がいるが、明るくなるようにリフォームしたい」という依頼を受けたことがありました。
それには何をさておいても、まず家の風通しを良くして、できるだけ部屋の明るさを確保することが大事です。
また、引きこもりがちの子どもがいるお宅から相談を受けたこともありますが、窓が閉めっぱなしで、部屋の照明もいくぶん暗いものでした。
一番簡単な、蛍光灯を取り替えることさえしていませんでした。
これらは極端な例ですが、いずれにしても、これからリフォームをするのなら、まず部屋の風通しを第1に考えてください。
もともと日本は湿気が多いので、私は一度、建築家の方に「湿気対策には何か一番有効ですか?」とお聞きしたことがあります。
答えは通気、つまり風を通すしかないということでした。
対策としては、風を通すために大きな窓を全開するということではなく、風が流れるよう向かい合わせの方向に、最低15センチの開きがあればいいそうです。
これは対流を起こさせ、俗にいう”風の通り道”をつくるということです。
家全体でいうと、東西南北の上下いずれかに15センチずつの隙間をつくれば、どちらからでも風が抜けますね。
雨の日は窓を開けるとかえって湿気ますが、天気のいいときには防犯に関係なく開けておけるような空気穴を、ぜひ考えてみてください。
それが無理な場合は、換気扇をつけるとよいと思います。
通気のことでいえば、下駄箱やクローゼットなどの扉は密閉型ではなく、たとえばルーバータイプを使ってください。
収納には湿気がこもらない工夫が必要です。
子どもには、集中できる。
自分だけのスペース”が必要リフォームの依頼でよくあるのが「子ども部屋をつくりたい」というものです。
私は子どもに個室はいらないと思っていますが、ただ、どんなに狭い家でも、子ども用の”自分だけのスペース”は必要なので、それは必ず確保してあげてください。
一般に、子どもが大きくなるにつれて「個室がいる」と思われがちですが個室を与えさえすれば勉強するわけではないことは、心当たりがあるでしょう。
食器がふれ合う音、家族の会話など、日常の生活音がするなかで家族がコミュニケーションを図れる状態こそ必要なのだと、私は思いますがいかがでしょうか?そもそも子どもを大事にすることと個室を与えることは別の話です。
「子どもを大事にしたいから個室を与える」という考え方が高じると、「個室がないから、子どもに不自由をさせている」と親が勘違いすることになりかねません。
個室をねだる子どもには「家が狭いのに、なんであんただけ個室がいるの?」と言うぐらいでちょうどいいのです。
子ども部屋がなくても勉強する子はするし、第1、引きこもりません(というより、物理的に引きこもれないのですが……)。
ただし、ものごとに集中するためには、少し工夫が必要です。
これは大人でも同じで、たとえ狭くても”自分の世界”に入れる場所を家のなかにつくってほしいのです。
低学年の子どもには、キッチンの横に形だけのテーブルを置いてあげるといいと思います。
学習机がどうしても必要な場合でも、できれば天板を使って組み立てられるタイプのほうが、のちのちいろいろなものに転用できて便利です。
これまで私か関わったリフォーム例で、お姉ちゃんが小学校に上がるのをきっかけに、子ども部屋をつくったことがありました。
そのとき、けじめは予定していなかった2つ違いの弟の机も脇につくってあげたところ、それまで幼稚園では全然絵を描かなかったその子が、時間を忘れて絵を描くようになったと聞きました。
「これはすごいなあ」としみじみ思ったものですが、子どもにとって、自分だけの空間があるということは、大人の想像以上に大切なのだと知りました。
これは誰にでも言えることですが、毎日の暮らしのなかで自分だけのスペースが必要だということです。
そして、家のなかで誰かが生活しているのを感じる状態がいいのではないでしょうか。
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